利乗せとは利益が出ている局面で同じポジションを追加でいれて利益を膨らませることをいいます。
いわゆる、ならし商いの一種です。
ならし商いというのは、当初の思惑とは異なる局面で同じものを買い足すことで、平均購入価格ベースで利益を増やしたり、損失を小さくしたりしようとする売買方法のことです。
利乗せとは逆に損失が出ている局面ででおこなう、なんぴん買い、という手法も、ならし商いの一つです。
これは、買いを入れたが値が上がらず損失が出たている時に、さらに買いを入れて、平均購入価格を下げ、1単位当たりの損失を小さくした上で反騰局面を待つ取引手法のことです。
利乗せは、あまり期待していなかったポジションで好成績が上がり始めた場合にそのままでは建玉が足りなく利益が少ないので買い足して(乗せ玉という)利益を増やそうという戦術なのですが、「利乗せは最後にやられる」などと言われあまり評判が良くありません。
利乗せの場合局面が進行しているため買い足し分は利益が少ない、下手をすると定数料や税金分を考慮すると利益が消えて、むしろ、損失が出てしまうことも少なくない。
そこで、欲張ってちょっとでも利益を増やそうと深追いして利食いをし損なうという危険もあります。
まさに「確定は千人力」の格言がしみる結果になります。
利乗せは特に初心者はやってはいけないと言われることが多いです。
なんぴん買いも、やがては反騰するという前提で行うことなので、思惑が外れれば損失を増やすだけの結果になります。
なんでも右肩上がり上昇する時代には、ならし商い、も手堅い手法と考えられていたのですが、現在ではリスクばかり大きくてリターンがあるかどうかわからない、と言う見方が一般的なようです。